私の学生時代。
売店に「フック」なる飲み物が売っていた。
当時公開されていた映画「フック」の「フック船長」のキャラクター商品で、味はどういうわけか「ヨーグルト風味スポーツドリンク」と、フック船長との関連性に大いに疑問の残るものであった。
350ml缶で、確か60円で売っていたような気がした。
安いのでどんなものか買ってみた。
いただきます。
ま、まずい。
一口に「まずい」と言っても、まずさには二種類ある。
生理的に受け付けないまずさと、クセになりそうなまずさである。
前者の代表例は、一時期北海道にもたくさんあった「くるまやラーメン」であり、後者の代表例は「山岡家のラーメン」である。
クセになるまずさは中毒性があり恐ろしい。
私はタバコは一本も吸ったことがないのでわからんが、最初タバコを吸って「うげ、ごほっ」っとなっても、気がつけばやめられない止まらないの「かっぱえびせん」のようなものではないだろうか。
ちなみに私は「かっぱえびせん」は根本的に好きでないが、一度袋を開けると「やめられない止まらない」になり、この怪奇現象に長年悩まされている。
ここで話を「フック」に戻すと、「フック」のまずさは正に後者のそれであり、気がつけば私は毎日のように「フック」を飲み
「Gossy、いっつもフック飲んでるけどうまいの?」
「いや、マズイ」
という不毛な会話を毎日のように繰り返していたのであった。
さて、昨日、「特売」という言葉とは無縁の隣町のスーパーに行ったら、470mlのペットボトル飲料がなんと48円で売っていたので、思わず買ってみた。
ココナッツウォーター。
ココナッツというと何となくトロピカルのような気がするが、実際に食べたことはないので、どんな味なのかさっぱりわからない。
ちなみに、昔はやったバンド「CCB」は「ココナッツボーイズ」の略であるが、この飲み物は「CCB」の人の髪のように毒々しい色はしていなかった。
更に関係ない話になるが、当時の友達に「CCB」は「ち○ち○ボーイズ」の略なんだよと、大嘘を吹き込まれ、それをしばらくの間、大恥をかくまで信じていた純情無垢の私なのであった。
さて、話はそれたが、いただきます。
お、これは。
まずい。
しかも、ただのまずさではない。
くせになるまずさだ。
そう、学生時代の「フック」を思い出すような。
かと言って、ココナッツウォーターにはフックのようなヨーグルト風味はなかったが、何か似たような系統のような気がした。
懐かしい、これは懐かしいまずさだ。
いかん、当時の思い出に浸って涙が出てきそうだ。
特に涙が出そうな思い出もないんだけど。
ちなみに「フック」も「ココナッツウォーター」もKIRINのものであった。
KIRINの株主優待に、この2つの飲み物があればKIRIN株は買いだなあと思いながら、今度こっそりと「ココナッツウォーター」の買占めをもくろんでいたのであった。
さようなら。