その1 その2 その3 その4 その5 その6
そんなわけで、お祭り気分で楽しく走ろうなどと、当初は考えていた大阪マラソン。
ところが、いざふたを開けてみると、思ったよりもいいペースだったので、一転、記録狙いのガチモードに入ります。
例え、ファイターズユニでくまモンというふざけた格好であろうと。
一応、中間点で1時間55分だから、単純に倍にして3時間50分がゴールタイムと思いきや、よーく考えると、スタートロスが5分あったから、実質1時間50分で中間点に来たわけだね。
つーことは、ゴールタイムは1時間50分×2+ロスタイムの5分で3時間45分となるのが理想なのだが、30km過ぎのペースダウンを考えると、やっぱ3時間50分ぐらいかなあ。
なんて計算を、今までのフルマラソンだったらしていたのですが、今回はそんな計算をする雑念が入り込まないほど走りに集中しております。
脚は絶好調!
心肺機能も問題なし!
これは完璧だ!
……と、思ったところで、思わぬ落とし穴が。
20km地点を過ぎたところで、あるところが猛烈に痛い。
とてつもなく痛い。
さて、そのあるところとは、どこか?
それは……
乳首
私の敏感な乳首は、ウェアと擦れているうちに、感じるを通り越して、流血の惨事を巻き起こしていたのだ。
うう、体は元気なのに、乳首が痛くて走る気力が失われるのはつらい。
どうして、事前に「乳首に絆創膏を貼る」という、ランナーの基本を忘れてしまったのだろうか。
というか、現実には事前に気づいていたのだが、絆創膏を忘れ、買うのももったいないということで、今回は乳首には耐えてもらう作戦で行くことにしたのであった。
つーか、買えよ!絆創膏ぐらい。
ワシ、どれだけケチやねん。
でも、大丈夫だ。
こんなこともあろうかと、私は最強の痛み止め「ロキソニン」を忍ばせていたのであった。
ロキソニンよ、痛いの痛いの吹き飛ばせ~!
まあ、これでロキソニンを飲んだ瞬間に痛みが飛べば完璧なのだが、実際はそうも行かない。
しかし、走っているうちに、色んなところが苦しくなり、乳首に私の意識が向かわなくなり、気がつけば乳首の痛みは消えていた。
これがロキソニン効果かどうかはわからんが、25kmぐらいから乳首の痛みは気にならなくなったから、これはこれでいいだろう。
さて、コースの方は、あっち行って、こっち行ったりして(土地勘ゼロなので、どこを走っているのかさっぱりわからない)、3度目の折り返し地点へ。
この折り返しのところから通天閣が見えたらしいが、そんなことは走り終わってからわかったことで、当然のように見逃した。
まあ、北海道マラソンで、嫌と言うほどテレビ塔を見たので、通天閣なんて見なくてもいいだろう。
25km地点通過。
ここでパワージェル1本投入。
給食にバナナが出たのもこの辺だったっけ?
忘れた。
25km通過タイム2:14:51(ラップタイム25:28)。
結論から言うと、20~25kmのラップタイムがピークでした。
でも、道マラに比べると、そんなにダメージなく、1キロ5分10秒ぐらいのペースが続きます。
コースは大阪のど真ん中から、郊外へと進んでいきます。
しかし、応援は熱い。
めっちゃ熱い。
これだけの応援の中、走ることのできるワシはめっちゃ幸せもんや!
30km地点の辺りで、応援が最高のボルテージに達する。
きっと、これは「くまモン+ファイターズユニ」の賜物だろうと思いつつ、様子がどうもおかしい。
沿道を見ると、「小渕」と書かれた応援ボードが目立つようになった。
「なんや、あの前経済産業大臣。大臣辞めたと思ったら、こんなものに出て人気取りか?やるなあ優子」
と、とんちんかんなことを考えていた。
そうなのだ、応援ボードの正体は「おぶち」ではなく「こぶち」で、正に私の目の前を「コブクロの小渕」が走っていたのだった。
おお、有名人!と一瞬テンションが上がったが、実は、このときまで「こぶち」のことを「おぶち」と呼んでいたぐらいコブクロについては知らず、本当のところ「どうでもいい」ということが判明した。
どうでもいいので、小渕のことを振り返りもせずに抜かします。
さようなら、小渕。
あなたを大阪マラソンで抜かしたことは、きっと一生自慢できることだろう。
更にどんどこ進むと、今度は「谷川真理」と書かれたゼッケンをつけているランナーがいた。
多分、そういうゼッケンをつけているぐらいだから本人なのだろう。
でも、いくら引退して50を過ぎたとは言え、過去東京国際女子マラソンにも優勝した人が、ど素人のワシに抜かされるなんて、いくらなんでも遅すぎないか。
実はニセモノなんじゃないのか。
などと失礼なことを思いながら、一気に抜いた。
後ろ姿がめっちゃきれいだなあとは思ったが、別にそういう意味で抜いたわけではない。
(後で調べたら、谷川さんは怪我をされている中、無理をして走っていて、途中棄権したようです。失礼なことを思って申し訳ありません)
さてさて、ついに30km地点到達。
アミノバイタルPRO1本投入。
30km通過タイムは2:40:46(ラップタイムは25:55)
さあ、これでウォーミングアップは終わり。
30kmを過ぎてから、本当のフルマラソンなのだ。
(
つづく)