固定ギアバイクでアップダウンのある道を走ったらどうなるのだろうか、実験してみたくなった。
固定で下り坂に入るときは「キ○タマが縮む思いだ」という声もあるが、果たしてどうなのだろうか。
まあ、気楽に行きましょう。
「変速ないから、上り辛いんじゃない?」という意見もあるかもしれないが、上りはいいんです。上りは。
必死になって、立ち漕ぎでペダルに体重を落とせば、前に進むから。
むしろ、ギア比約2.7ということを考えると、固定の上りは、同じギア比のロードに比べると楽なんです。
あまり距離が長くなければ、5%ぐらいの上りなら、一気に行っちゃえるんです。
問題は下りです。
これが大問題なんです。
とにかく、自分の意思とは関係なく、ペダルが勝手に回ってしまう固定ギア。
最初の作戦では、行けるところまで全力で行って、やばそうだったら、手ブレーキで何とかしようと思っていた。
何とかならなかった。
下りに入ると、ダムにせき止められた水が放流するかのごとく、ペダルが恐ろしい勢いで回り、脚がペダルの速度についていけなくなる。
そうなったら、手ブレーキだけではどうにもならない。
車輪が止まっても、ペダルは止まってくれないので、頭の中はパニックになり、気づけば足を開き、ペダルから足を離して、「はよ、ペダル止まらんかい!」と、くるくる回るペダルを上から見ることしかできなかったのだ。
幸い、下りの距離は長くなかったので、なんとか転ばずに止まることができたが、これは危険だ。
恐ろしく危険だ。
この問題を解決するためには、下りでも勢いをつけないように、できるだけ逆回転に脚を動かし、ペダルの暴走を止める以外の方法はない。
んなわけで、次の下りでは、重力に逆らうように、ペダルの回転数を抑えるようにした。
すると、どうなるか。
しんどいのである。
大腿四頭筋がめちゃくちゃしんどいのである。
ペダルに脚を突き上げられて、それを押さえつけるだけで、筋肉が崩壊しそうになるのである。
むしろ、上りより筋肉使ってるんじゃないか、これ?
重力と反対方向にエネルギーを使っているわけだから、理屈で考えるとしんどいのはわかるのだが、上りより下りにエネルギーを使うなんて、全く馬鹿げた話だ。
下りで、位置エネルギーを運動エネルギーに転換させることを禁止される。
これがどれだけ理不尽な行為か、自転車乗りなら、わかってくれると思う。
しんどい上り坂で、「ようやく頂上だ!これで脚を休ませることができる」と思ったら、下りは上りより更にしんどいのである。
ふざけてはいけない。
何のために上り坂を上ってきたのかと。
平地=普通
上り=しんどい
下り=更にしんどい
平らな道以外は走るなってことか?
どんな道でも、脚を止めることを許されない自転車。
それが固定なのである。
こういうしんどいアップダウンは、これからも固定でどんどん攻めていかなくてはいけない。
それはさておき、今日の利尻富士。
さようなら。
走行距離 51km